少年たち




中学生や高校生の少年少女たちを描いた小説が好きです。自分の内面に対しても、周りの世界に対しても傷つけてしまいそうなほどの鋭さで向き合うから.........不器用で、まっすぐで、独りよがりなくせにほんとは家族も友達も大切で、若造のくせに大人ぶってて.....そんな彼等が好きです。かっこよくも、かっこ悪くもガンバレ少年!!

「クランク・アップ」橋本浩   
「ビート・キッズ」風野潮
「夏の庭」湯本香津美
「いちご同盟」三田誠広
「想い出にならない」堀田あけみ  


ここに揚げたのは特に好きな作品です。どれも好きすぎてコメントが難しいのですが、「クランク・アップ」は会話が絶妙です。この作家の作品を他にも読みたいのですが見つかりません。ご存じの方ぜひ教えて下さい。「夏の庭」が小学生、「ビート・キッズ」「いちご同盟」が中学生、「クランク・アップ」「想い出にならない」が高校生です。全ての作品に共通するのが、主人公は一応いるけれど、取り巻く少年少女たちがみんな劣らず魅力的でだれが主役でもよいくらいだということです。読んだ人に誰が好きって聞いてみるのも楽しみです。
はといえば上のすべての作品で一人選ぶなら海藤仁くんです。(さあどの作品にでて来るでしょう?)  

                                                                                    2005.2.3

「バッテリー」あさのあつこ

たぶん誰もが認める名作です。今のところ4巻まで読んだのですが、私は4巻が特に好きです。6巻で完結らしいんですが、全部読み終わったらどうしようと思うくらいはまり込んでいます。この人はすごいです。少年の心の中にここまで深く入らせてもらった本はないです。
あと、弟がいいんです。10才の青波くんが兄ちゃんの年齢になった時のお話をぜひ読みたいと思います

2005.4.17

「DIVE!!」 森絵都

ひとつのことだ
けにかける生き方って本当は好きじゃないです。それが若い子の場合はなおさら。ひとつのことに才能を見出されると、他のことには目を向けることさえできないようなところありませんか?特にスポーツの場合は世界を目指そうと思えば他のすべてを犠牲にして家族も学校も一丸となってというのが日本では普通のようだけど、オリンピックで外国の選手が本業は弁護士だとか、医学部の学生だとか.....そういうのいいなあと思います。だからスポ根ものは好きじゃないんです。(ま、才能を持たない者の僻みとも言えますが)
「DIVE!!」は飛び込みで世界を目指す3人の少年たちの物語ですが、4巻のうち1巻ずつ主役が交代します。それぞれ、飛び込みをはじめたきっかけも育ってきた環境も価値観も違う3人ですが、3人とも飛び込みという競技のために(プラットフォームから水面までの1.4秒!)いろいろなものを我慢して犠牲にしているんです。それでも彼等の生き方が私は決して嫌いじゃなく、むしろそのまま思うままさらに高いところを目指しなさいと応援したくなります。何が違うのかと考えると、彼等は飛び込み以外のものに価値を認めないわけじゃないんです。飛び込みを続けるためにこれまで犠牲にしてきたたくさんのもの、休日に友達からの遊びの誘いを断り、食べ盛りにファーストフードもお菓子も我慢して、相手をしてやれなかったために彼女を弟にとられ、それならまだしも1度も女の子とつきあったこともない...........彼等は飛び込み以外のそんな諸々のことに目もくれないんじゃなくて、興味も未練もいっぱいなんです。それでも飛び込みが好きだから我慢するんです。彼等はうんと先になって振り返った時、自分が犠牲にしてきたものについて後悔したりしないと思います。学校や親やほかの誰かのためではなく、自分でしたいことを選んだのだから。「.....(略)......失ったもののほうが得たものよりはるかに大きかったかもしれない。が、しかし失ったのは欲しくなかったもので、得たのは欲しかったものだ。たまらなく欲しかったものだ。」........要一の言葉です。欲しくないというのは興味がないというのとは違うと思います。
「バッテリー」(6巻読了しました)の巧はどうかというと、一見野球しか見えず野球以外のものに何一つ価値を見出さないように見えます(そういうことを口にしていたと思います)が、本質は彼もまた同じだと私は思っています。巧もまわりがちゃんと見えていると私は思います。でも野球が何より好きなんです。共通するのは「自分がそうしたい」ということです。

2005.8.15

「河よりも長くゆるやかに」 吉田秋生

コミックです。吉田秋生の作品が大好きです。(特に「BANANA FISH」なんて宝物に等しいのですが、大切すぎて今はまだどう書いていいかわかりません。)
この作品は、名門男子校の落ちこぼれクラスに席をおく3人の少年の日常を、どうってことなくつないだものです。これまでに挙げた作品に出てくる少年たちは、その対象や難易はさまざまでも何かに向かって一途です。ところがここに出てくる3人は、普通にいえばどうしようもない奴らです。学校も恋にも生き方にも、すべてに対していい加減。唯一ひたむきに情熱を注ぐとすれば『恋』以前の『女』です。そんな彼等なんですが、憎めないというか、愛すべき奴らとさえ思えてしまうのが不思議です。いい加減であっても、おじさんたちのように「諦め」に侵されてはいないんです。前向きに明日の「いいこと」を待ってるわけです。努力によってではなく、天から降ってくるものとして....。

     2005.11.13

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